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映画とドラマの違い(その1)

最近、人気ドラマが映画化され、ヒット映画がドラマ化される「メディアミックス」が増えています。
映画とドラマは近い存在になってきました。

映画のシナリオを執筆していると、プロデューサーにこんな指示を出されることがあります。
「映画的にやってね」
映画的とは何でしょう?

メディアミックスが流行る現代で、映画とテレビは何が違うのでしょうか?

タダだと逃げられる?

観客側から見た、テレビと映画の1番大きな違いは
「タダか、入場料を払っているか」です。

リビングでテレビを見ている視聴者は、つまらなくなったらすぐにチャンネルを変えます。
脚本家は、視聴者に飽きられないよう、次から次へと興味深いシーンを作り続けなくてはいけません。
家事をしながら、会話をしながら、「ながら見」をする人もいるので、しばらく前のシーンの出来事は忘れられている可能性が高いです。
そのため、前のシーンを説明する「回想」という手法が頻繁に使われます。
「回想」は便利な反面、ストーリーの勢いを止めてしまうというデメリットがあります。

映画館の観客は、少しくらいつまらなくても「お金を払ったんだから」と、最後まで我慢して見ることが多いです。
観客に逃げられないので、登場人物の感情をじっくりと描きやすいです。
(感情をだらだらと描き続けて、しまりのないストーリーになってしまう失敗例もありますが)
また、映画館内で集中して見てもらえるため、回想シーンは必要最低限ですみます。

作り手側の違いは「予算」

メジャーな映画の製作費は億単位です。
(数千万円という低予算でも、素晴らしい映画はたくさんありますよ~)
作品によりますが、テレビドラマよりも予算が多い分、ロケが可能なので、見終わった後も印象に残る美しいシーンを求められたりします。
「ゴージャスなシーンを作って」と言われることもあります。

じゃあ、映画的っていうのは、主人公の内面をじっくり描いてあって、美しくてゴージャスなシーンがあるってこと?
……ごめんなさい。明確な答えはありません。
実際、「映画的」の解釈は、プロデューサーによって違うようです。
「セリフが少ないのが映画」と言う人もいれば、 「風景描写が多いのが映画」と言う人もいるし、 「1800円払う価値ある作品が映画」という意見もあります。

私は「何十年経っても、どの国の人でも、感動できる」ということを、「映画的」と呼びたいと思っています。

2007年6月1日更新